002

ありさ ふんどし祈願



・・・・・・・・・・・第2話・・・・・・・・・・・

六尺ふんどしは、一枚の長い布を股間から腰に巻き付けて着用するタイプのふんどしである。

生地は真っ白なさらしで、長さは名前のとおり6尺(通常の1尺=約30cmではなく、鯨尺と呼ば

れる1尺=約38cmなので、228cmある)ある。

ありさは当日ジーンズでやってきた。

ありさの側にやって来た担当は中年のぼくとつとした親父であった。

畑仕事に明け暮れているのかとても良い色に日焼けしている。

そしていよいよ練習開始。

3メートル余のさらしを左肩から背負い、股の間を通してねじる。

股に通した部分をさらにねじりながら右から腰に巻き後ろでからめる。

これだけ捻じられるといくらジーンズといっても、さすがにデリケートな部分を刺激する。


ありさ(いやぁーん☆★☆だはぁ〜・・・アソコが擦れるにゃん☆★☆)


後ろで絡めたさらしは左側の脇腹に向かって、二重にねじり込んでいく。

初めに背負った部分を前に垂らし、幅を整えながら股に通す。

初めに通したさらしに、さらに巻きつけていく。

ここをしっかり巻かないとあとで緩む、と親父は真顔で言う。

尻の間から順にネジは右脇腹側へねじり巻く。

終わりまできれいに巻く。


さあ、できあがった。

たるみなくビシッと決まれば、とても動きやすいと親父は言うが・・・。

それは男の場合じゃないか?

ありさは股間への強い食込みにちょっとした違和感を感じた。


ありさ(やだにゃん、Tバックとは全然違う感じ・・・☆★☆)


練習も無事終わり、ついに祭の日が訪れた。

ありさは遠方ということもあったため、前日から宿泊して当日に備えた。

当日ともなると、近郊から多くの人が集まって来たし、どこから噂を聞きつけたのか高価な機

材を備えたカメラ小僧の姿も見られた。

そして新聞記者や雑誌記者までが現れた。

女のふんどし姿は滅多に見られるものではない。

男の好奇心をくすぐるには充分過ぎるコスチュームと言えよう。

一同はふんどし姿の女性達が登場するのを固唾を呑んで待った。

ところが更衣室でふんどしを着けて出てくるはずの女性達が一向に現れない。

どうしたのだろうか。

やはり気後れしたのだろうと、女性参加反対派が嘲笑する中、ありさがひょっこり私服のまま

で出てきた。


ありさ「困ったにゃん☆締め方がよく分からなくなったんですぅ☆★☆」


男達は顔を見合わせ苦笑いをしたが、誰もありさ達女性の元に行く気配がなかった。

それもそうだろう。

練習の時はスラックス類の上に着用させたが、今日はそうはいかない。

一糸まとわぬ全裸の女性にふんどしを着けるのだ。

スケベ根性丸出しの男達もさすがに行くのをためらってしまった。


「あのぉ・・・村長。ここはやっぱり長老でもある村長が行くべきです。女性達にふんどしを締め

方を教えに行ってくれませんか?」



前のページに戻る     次を読む

「ありさ ふんどし祈願」トップに戻る